高麗人参の水耕栽培について

高麗人参の土栽培は非常に長い時間と労力が必要なため、なかなか成功するのは難しいといわれています。
近年注目を集めている栽培方法に水耕栽培があります。
高麗人参は水耕栽培で育てることが可能なのでしょうか?

高麗人参の露地栽培

高麗人参を通常の土を使って栽培すると、土壌作りに2〜3年、種まきから収穫まで4〜6年、収穫後から次の種まきまで5年〜10年もの年月を必要とします。

高麗人参を栽培する場所は直射日光のあたらない水分量が50〜60%の土壌でないとうまく育つことができません。
暑くても寒くても育たず、高麗人参の露地栽培は困難を極めるのが実情です。

水耕栽培のメリット

水耕栽培は土を使わず水で植物を栽培する方法で、近年、世界的に注目されています。
露地栽培に比べ、時間と労力が大幅に省けるだけでなく、良質な野菜を育てることが可能です。

水耕栽培にすると、露地栽培にはつきものの農薬などの問題が遥かに少なくて済むため、消費者にとっては嬉しいメリットがあります。
高麗人参は露地栽培では虫害を受けやすく、すぐに病気になりますが、水耕栽培ではそういった問題が解決される上、収穫後、すぐに同じ場所で栽培を再開することができ、年間を通して高麗人参を量産することが可能です。

高麗人参のように、露地栽培が困難を極める植物を水耕栽培で育てることが可能になれば、このような多くのメリットが生まれるため、高麗人参の水耕栽培の成功に大きな期待が寄せられています。

高麗人参の水耕栽培の課題

高麗人参の水耕栽培は現在、企業など色々な機関で研究されています。
しかし事業として高麗人参を水耕栽培で育てるとなると直面する課題が多くあり、それらの解決なしには水耕栽培を成功させることは困難です。

個人栽培では問題がありませんが、事業として水耕栽培するためには、まず広大な場所と設備、安定した種の供給が不可欠です。

水耕栽培の今後の期待

高麗人参の水耕栽培を試験的に実施している企業の中には、特殊な技術の進歩により、通常6年を要する高麗人参の生産を、わずか4ヶ月でサポニンを抽出できるまでに至ったとの報告もあります。

高麗人参は従来、主に根の部分からサポニンを抽出し使用していますが、水耕栽培が成功すると、根だけでなく葉や茎など、ほぼすべての部分からサポニンを抽出し利用することが可能になると、今後の更なる技術の開発が期待されています。
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