高麗人参は自家栽培できる?

数々の効果効能があり、漢方薬としても長年にわたり親しまれてきた高麗人参は中国、韓国に自生し、日本では江戸時代の中期にはじめて人工栽培に成功したという記録があります。
国内での栽培成功に至るまで、紆余曲折があったことは容易に想像できます。
高麗人参を家庭で栽培してみたいと思われる方もいると思います。
果たして高麗人参は自家栽培できるのでしょうか?

高麗人参の栽培に要する年数

高麗人参は、種まきから収穫まで非常に長い年月を要します。
大まかには、土壌作りに2〜3年、収穫まで6年、収穫後から次に苗植えが出来るまで10年以上の年月が必要だといわれています。
この過程を自家栽培で行うことは非常に困難を極めます。
とはいえ、ホームセンターや花屋、種苗店では高麗人参の種と苗が売られています。
従って、自家栽培に挑戦することは可能です。

高麗人参栽培に適した場所

高麗人参が自生している場所は、林の中の大きな木の根元で、直射日光があたらず、適度に涼しく、水分量が常に50〜60%に保たれているようなところです。
このため、傾斜したところに自生することが多くあります。
暑すぎても、寒すぎてもうまく育ちません。

高麗人参は酸性の土壌を好むともいわれ、化学肥料を混ぜた土や、ほかの植物を育てていた土では育ちにくいという特徴があります。
自家栽培する場合、高麗人参が自生するような条件の場所を作り、そこに種、または苗を植えなければうまく育ちません。

栽培の過程

土壌作り

高麗人参は土の栄養分をすべて吸収する植物なので、2〜3年間に渡り土壌作りをする必要があります。
韓国では、腐葉土を混ぜた土をトラクターで耕すそうです。
アルカリ性の強い肥料や化学肥料、堆肥は避けます。
一旦植えると6年間土壌を変えることができないので、しっかりとした土壌作りが望まれます。
根が長く伸びるので、土を深くまで耕します。

1年目から収穫まで

土作りが終われば傾斜や間隔に注意し、土が固くなるのを防ぐための敷きワラをし、種またな苗を植えます。

2年目に入ると、日よけ用の屋根をつけます。
直射日光を避けるためですが、屋根を設置することはとても大切です。
高麗人参は1年から収穫できますが3年目位から栄養価が高くなってきます。
最大の効果が出るのは6年目の根です。
6年目の根は、最高級品で、高麗人参の特有成分、サポニンが一番多く含まれます。
7年目以降は、品質が低下してしまいます。

収穫後

高麗人参を収穫するとその後10年は、その土地でほかの植物を栽培することができなくなります。
これは高麗人参が土の中のすべての栄養分を吸収してしまうためと考えられています。
それだけ栄養がたっぷりと詰まった高麗人参の効能が、非常に優れたものである証明といえます。

このように高麗人参の栽培は時間と労力を要する大変なものです。
しかし環境、場所、そしてしっかりとした土壌と忍耐があれば、自家栽培は必ずしも不可能ではなさそうです。
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